全国的に拡大しているクマ被害の影響はスポーツ界も無縁ではありません。クマによる襲撃が相次ぐ秋田市で6日に開催された東北高校駅伝競走大会では、たすきなしの形式で行われる異例の措置が取られましたが、J1のアルビレックス新潟ではクラブハウス付近でクマの出没情報があったためサポーターの練習見学やファンサービスが当面、中止に。また7月には日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）のツアーがクマの出没で、中止になっています。今年に入ってから影響を受けている各競技をまとめました。

ココがポイント

エキスパートの補足・見解

　過去最悪の死者数を記録しているクマ被害は政府が対策に乗り出さざるを得ない異例の状況が続いていますが、スポーツ界では上記で紹介した競技にとどまらず影響が出ています。ノルディックスキー・ジャンプの全日本選手権兼NHK杯でクマ対策としてジャンプ台の近くに電気柵が設置されたり、J3の福島ユナイテッドがクマの出没のため、一時練習見学やファンサービスを取りやめたりしています。また、東北高校駅伝競走大会に出場予定だった学法石川高校は宿泊先近くでの練習の際にクマに遭遇することを恐れて、男女ともに参加を辞退しました。

　Jリーグでは2026年から8月に開幕する秋春制へ移行。開幕に向けての合宿の時期が6月から7月の夏場に変わることから、比較的涼しい北海道や東北がキャンプの誘致に力を入れており、Jクラブの担当者らが既に視察に足を運んでいます。ただ、今年の「クマ禍」を気にする関係者がいるのも事実です。

　プロスポーツのみならず、アマチュアのスポーツにも少なからぬ影響が出ているクマ禍ですが、人的被害が出ないことを祈ります。